携帯電話の盗聴(傍受)

携帯電話の盗聴は可能か?

携帯電話の盗聴には色々な誤解があります。

一番多い誤解が、携帯電話とトランシーバーを同じに考えている人が多いのです。

携帯電話には電話番号がある、だから周波数が割り当てられていて、その周波数を受信して盗聴されると考えている人が非常に多いのです。

しかし携帯電話には固有の周波数は割り当てられていません。

電話をする度に周波数は変わります。

また、電話中でもハンドオーバーの時に周波数が切り替わります。

しかも、デジタル通信で音声変換は出来ません。

つまり、例え携帯電話の電波を受信しても誰の通話か分からず、その周波数も常に変っているのです。

そんな物を盗聴する事は出来ません。

また、CDMA方式の携帯電話は、多数の人の通話を混信させて符号によって分けています。

その符号が分からなければ特定の通話を分離する事は出来ないのです。

その符号とは、主に声紋が符号として使われるため、他人が使用する事は出来ません。

つまり、複数の人の会話が混信した状態の音声変換出来ないデジタル電波、しかもハンドオーバーで周波数がコロコロ変り、誰が何時どの周波数を使うかも分からない携帯電話の電波を受信して聞くなどと言う事は不可能なのです。

 

クローン携帯の真偽

携帯電話の盗聴に付随する問題としてクローン携帯があります。
「クローン携帯を作られて盗聴されている」と・・・

さてクローン携帯は現実に存在するのでしょうか?

確かに海外では存在していますが、日本国内となると実際に確認された例は有りません。

恐らくこれが実際の所でしょう。

海外と国内ではかなりシステムが異なります。

同時に一つの固有携帯IDが二つ検出されれば分かるようになっていますので、日本では無理なのが現状のようです。

また、日本国内でとり立たされたクローン携帯も、実際にはクローン携帯による物とは言い難い物ばかりで、クローン携帯による盗聴とは全く無縁の物ばかりです。

日本のクローン携帯騒動は、請求賞の請求金額の多さによって問題になっています。

今まで、日本国内でクローン携帯の疑いのある問題も、原因は提携する中国の通信会社の交換機の問題だったり、ゲームやアプリのパケット量の増大だったり、クローン携帯とは別の問題だったりしています。

もし日本でクローン携帯を作るとどうなるのでしょう?

実は私自身携帯の機種変更の時に奇しくもクローン携帯を経験しています。

機種変更する前の機種は通常のSIMで、変更後の機種はmicroSIMに変わりました。

その時、古いSIMを無効にして古い携帯を持ち帰ったのですが、どうやら生きていたのです。

古い携帯の電源を入れたまま新しい携帯を持って外出すると、新しい携帯は使用不能になりました。

新しい携帯から電話をすると発信出来ないのです。

また固定電話から新しい携帯に電話をすると、コール音はしますが新しい携帯にも古い携帯にも着信しません。

つまり、クローン携帯を作っても日本では使えないのです。

 

私も仕事柄色々な事案を見て来ています。

それは勘違い・・・・・と言うより記憶障害。

しかも自分で記憶障害と言う認識は有りませんでした。

それらが記憶障害と判明したのは、防犯カメラによる録画でした。

「留守中に誰かに侵入される」と言う人で、防犯カメラを設置した人の映像で明らかになった事なのです。

ある人は、「留守中に預金通帳を盗まれ、その後に預金300万円を引き出された通牒だけ返してあった」と言う事から、防犯カメラを設置したのですが、ガスを撒かれて意識を朦朧とされたと言う場面を見てみると、一時間程電話している姿が映っていましたが、その電話の記憶がありません。

結局その方は認知症で有る事が判明しました。

またある人は、部屋に侵入されて部屋の物が無くなったり、電話を使われる(高額な請求)と言う事で、防犯カメラを設置しました。

しかし映っていたのは、毎日真夜中に自分が電話している姿、しかしその記憶がありません。

その方は20代女性でした。

また、電話の通信が出来なくされていると言っていた人は、電話代を払っていなかっただけだったり、実際には勘違いや記憶障害による物が多いのです。

リモート(リモコン)式盗聴器

リモート(リモコン)式盗聴器の種類

RC-SLEEPER

RC-SLEEPER

寸法
本体67 x 21 x 73mm / アンテナ 3 x 220mm
162g(アルカリ電池含む) / アンテナ 3g
電池寿命
連続使用約62時間(006P 9V電池連続発信時) 待機時間1ヶ月程度
使用周波数
UHF-A(398.605Mhz), UHF-B(399.455Mhz)

 

KRT-800T

krt-800t

寸法
14mm×73mm×26mm
重 量32g(電池、アンテナ含まず)
電池寿命
連続使用6時間、待機時間1ヶ月程度
使用周波数
UHF-E(320.675Mhz)

 

KRT-400TA

KRT-400TA

寸法
73㎜×26㎜×14㎜
重量25g
100電源式
使用周波数
UHF-C(399.030Mhz)、UHF-F(321.135Mhz)

 

SCR-200T

SCR-200T

寸法
18mm×73mm×26mm
重量55g
電池寿命
連続使用1日半 待機時間1ヶ月程度
使用周波数
スクランブル
Dチャンネル(320.235Mhz)Eチャンネル(320.675Mhz)Fチャンネル(321.135Mhz)Gチャンネル(321.575Mhz)を1秒間に20回切り替え

 

リモート(リモコン)式盗聴器の実力

リモート(リモコン)式盗聴器は、発見が困難な盗聴器と言われています。

しかし別に発見が出来無い訳でもありません。

と言うより、こんな物はプロは使いません。

素人さんが使って、実際には何の役にも立たずに、お金を損する盗聴器と言った方が適切かもしれません。

素人考えなら、発見されないように、聞きたい時だけスイッチを入れて・・・

そんな事を考えるかもしれませんが、それが素人考えなのです。

まず第一に、盗聴には室内盗聴と電話盗聴があります。

しかし、実際には室内盗聴の情報量はほとんど皆無。

少し考えてみてください、貴方は自分の部屋で何か喋っていますか?

24時間聞いていたとしても、部屋で喋る事がある時間はほとんど無いのです。

現実の盗聴は電話にこそ情報が詰まってます。

その電話盗聴器は、リモートする事無く勝手にON/OFFしています。

簡単に電話盗聴器の仕組み説明すると、電話回線には普段は微弱な電流が流れていて、受話器を上げて通話状態になると電流が流れます。

電話盗聴器はその電流を使用する為、電話をしなければ電波を発しません。

その為、リモート式の電話盗聴器は存在せず、リモート式盗聴器は室内盗聴器限定なのです。

リモート式盗聴器を使った場合を考えて見ましょう。

相手は何時喋るか分かりません。

スイッチがOFFになっていたらせっかく喋ってくれた内容を聞く事は出来ません。

そして、相手が何時喋るかさえも分かりません。

盗聴は浮気調査と同じです。

浮気調査は1週間毎日尾行して、決定的瞬間を写真に収められるのは一瞬です。

その一瞬の為に何時間も尾行や張り込みをするのです。

盗聴も同じで、一瞬の会話を聞き逃さない為に24時間電波を出し、音声起動録音をするのです。

つまり、リモート式の盗聴器などを使った場合、重要な内容を聞き逃してしまいますし、そもそも室内で話す事自体少ないのです。

各機種の性能を見れば、KRT-400TA以外全て電池式、電池寿命は長くても62時間。

何か話すまで聞いていればすぐに電池がなくなってしまいます。

また、100V電源式のKRT-400TAは磁石に弱く、強い磁石に触れれば使い物にならなくなります。

またサイズが大きいのも一つの特徴で、このサイズだと仕掛けるのも結構大変です。

 

どうしても心配なら

どうしても心配ならレシーバーが有れば簡単に見つけられます。

リモート式盗聴器の種類で、使用されている周波数は分かっていますので、レシーバーのメモリーにその周波数をインプットし、常時サーチするかしゃべる時にサーチすれば、もしリモート式盗聴器が付いていればスクランブル式以外のタイプは受信できます。

スクランブル式の物であっても、バグアナライザーに増幅器を付けて使用すれば反応します。

また、SCR-200Tがスクランブルで聞けないと言っても、専用レシーバーSCR-200Rで聞く訳で、SCR-200Rで聞けば聞けるのです。

そのSCR-200Rは市販されていて、NETでも買えます。

携帯の会話を聞かれるのが心配であれば、部屋から出て話せば聞かれる事もありません。

電磁波盗聴(テンペスト)

電磁波盗聴とは

電磁波盗聴はテンペストとも呼ばれる盗聴方法で、パソコンから出る微弱な電波から情報を盗み見る技術の事です。

基本的な方法としては、200Mhz~1000Mhz広帯域アンテナを使用し、広帯域受信機で受信、その受信した電波の中から復調可能な信号を拾い出し、シグナルジェネレーターでVGA信号として復調します。

これが直接放射受信の方法で、もう一つ伝道放射受信と言う方法もあります。

伝道放射受信はLANや電源ケーブルから出る電磁波を拾う方法で、復調方法は直接放射受信と同じです。

 

電磁波盗聴の実力

さて、その電磁波盗聴がどれほどの実力を持つのでしょうか?

これが実際の映像です。

電磁波盗聴テンペスト

緑の画面が電磁波盗聴で復調した映像です。

テンペストはテレビ番組でも紹介されました。

 

電磁波盗聴テンペストって最新技術なのか?

そうした番組で取り上げられると、電磁波盗聴テンペストは最新技術のように思えてしまいます。

しかしテンペストの歴史を調べると、かなり古い技術である事が分かります。

電磁波盗聴テンペストが生まれた時代背景を見ると、テンペストの別の側面が見えて来ます。

テンペストが使われたのは1970年代、NSA(米国家安全保障局)が開発した技術で、軍事機密として扱われていました。

その軍事機密が2000年頃に学会で公開された事に端を発するのです。

西暦2000年頃と言えば、パソコンやインターネットが急速に普及した時代です。

しかしこの頃のPCは、すでにVCCI規格で作られているのです。

さてVCCI規格とは?

VCCI規格とは、パソコンやFAXなどデジタル技術が普及し、そのデジタル技術は広い周波数範囲の妨害波を発生し(電磁波)妨害波のレベルによっては、ラジオ・テレビ 等の受信機に障害を与えることがあり、この妨害波の問題を解決する為に、電磁波レベルを押える為に自主規制なのです。

そのVCCIは1985年からスタートしています。

つまり、VCCI規格の以前のコンピューターの電磁波レベルは、テレビやラジオに影響を及ぼすほどの電磁波を出していた言う事なのです。

電磁波盗聴テンペストは、VCCI規格の10年以上も前の技術なのです。

当時のコンピュータを偲ばせる映像があります。

私が中学生の頃に夢中になっていたTV番組「謎の円盤UFO」です。

当時のコンピュータはまだオープンリールの磁気テープを使用していた時代です。

当時のコンピュータの電磁波レベルであれば、電磁波盗聴テンペストも容易だった事でしょう。

しかし、1985年以降VCCI規格の製品が一般化し、電磁波盗聴テンペストを行う事は困難になったと考えられるのです。

つまり、VCCI規格で使えない技術になった為に、世に出た技術と考えた方が無難なのです。

その為、電磁波盗聴テンペストが知られた時には、2メートル程度でしか受信出来ませんでした。

世の中面白い物で、現実的には出来ない事であっても、可能性があれば対処しようとします。

そこに新たなマーケットが出来るのです。

そのマーケットを拡大させようと思えば、脅威を作れば良いのです。

その脅威は、どんな大掛かりな機材を使ってでも受信出来るのを証明すればよいのです。

しかし、そんな大掛かりな機材を使って誰が電磁波盗聴などするのでしょうか?

そんな事をするより、ウイルスやスパイウエアやハッキングをした方が、手っ取り早くコストも掛かりません。

しかも、モニターに表示されている画面を見るのではなく、HDDのデータ自体を盗めるのです。

つまり、電磁波盗聴テンペストはもはや都市伝説でしかないのです。

電磁波盗聴テンペストの基本的な方法ですが、方法としては然程難しい訳ではありません。

最低限必要な物はワイドバンドレシーバー、増幅アンプ、ビデオコンバーター、長めの指向性高利得アンテナ、周波数カウンター。
但し、超微弱な電磁波を受信するため、全てにおいて高感度である事。

機材を用意したら、まずは周波数カウンターに増幅アンプを取り付けて、対象のパソコンを立ち上げてモニターの漏れ電波の周波数を測定します。
この時、完全に被覆されているコードより、隙間のあるソケット部の方が電波は漏れやすいので、コードではなくソケット部で測定します。

周波数カウンターで周波数が測定されたら、その周波数を増幅アンプと高利得アンテナを取り付けたワイドバンドレシーバーに入力し、受信した電磁波をビデオコンバーターで映像化すればOK。

※ワイドバンドレシーバーのスケルチは0
※指向性アンテナを使うのは余計な電波を拾わない為で、余計な電波の無い所ならパラコーンでも行けるでしょう。

とまあ理屈的には簡単なのですが、実際やってみると受信は困難を極めます。
電磁波を多く出す機種ならまだいいのですが、電磁波をあまり出さない機種ではまず受信出来ません。

やって見ると分かる事ですが、こうした超高感度状態でサーチをかけるとサーチは止まりまくります。
予め漏れ電波の周波数を測定していなければ、どれがどれだか分からないのです。

ですので、予め周波数を測定せずに行う事はできません。

予め周波数を測定するには侵入する他なく、侵入するのならウイルスなりスパイウエアを入れて来た方が早いですし、受信出来るかどうか分からない電磁波盗聴テンペストを使うよりもスパイウエアを入れた方が確実なのです。

せっかく侵入し、パソコンまで立ち上げて周波数だけ測定して帰り、情報を盗んでやろうとテンペストを試みて受信出来なかったら、これほど間抜けな事はありませんし、間違いなくそうなります。

受信に挑戦してテンペストが開発された時代を振り返ると分かる事ですが、その当時は今ほど電波が氾濫しておらず、デジタル機器の電磁波にも規制が無く、強い電磁波を出していたから可能だったと言う事を実感するのです。
周囲に何も電波が無いような所ならいざ知らず、電波の氾濫している住宅地で事前の周波数測定もせずにこの技術が使われる事は有り得ないのです。
早い話、氾濫する電波や電磁波が微弱電波のジャミング状態になっているのです。

まあ何事も用心には越した事はありませんので、ある程度の対策はしておいたほうが良いのかもしれません。