盗聴について

ここでは、盗聴について色々ご説明し、数百件に上る実際の盗聴調査、千数百件に及ぶ相談内容を踏まえ、「盗聴」に関する問題点を色々記載していきたいと思います。

「盗聴」と言う問題は、実際に現場で調査をして行くうちに、「盗聴」と言う問題は、非常に奥が深く相談一つとっても、「一言一句に細心の注意が必要である」事を実感しております。

実際、一般認識の「盗聴」と実際の「盗聴」とでは。その認識に「ズレ」が生じています。
この「認識のズレ」が、「盗聴」と言う問題を複雑にしている、言葉を変えれば「この認識のズレが、盗聴問題の被害者を増やしていると思われます。
こう言った事を含め、色々考察していきたいと思います。
各項目は、「盗聴」の抱える問題を理解する上で、必要な順序になっています。飛ばし読みは誤解を生む元になりますので、ご注意ください。

 

1.盗聴の定義
各盗聴とはいったい何なのか?
この簡単な、一番の基本自体明確になっていません。

まず、「盗聴」と「傍受」は別物です、さらに「聞かれていた」=「盗聴」ではありません。

この事は、意外に各マスコミの方たちも混同されているみたいです。
この事は非常に重要で、マスコミの社会における影響力は絶大で、マスコミの認識=一般認識と言っても過言ではありません。

2001年4月18日、19日と連続して愛知県警本部取調室盗聴、名古屋西警察署盗聴がTVでスクープされました、この時数社の新聞社、TV局から電話が殺到し色々質問されましたが、そこで痛切に感じた事は「マスコミの人は盗聴と傍受の区別が付いていない」と言う事です。

事件の内容を簡単に説明しておきましょう。

某TV局が、夕方のニュースでスクープ放映したのが事の始まりだったのですが、内容は「愛知県警の取調室で取調べ中に、取調官が別室でモニターする為に盗聴器を使用し、それを盗聴器発見業者がキャッチ、知り合いの警官を通じて通告するも聞き入れられず、TV局に情報を持ち込み、スクープとして報道される」これが事件の大まかな流れですが、これを報道した時に「愛知県警が盗聴」と言った報道や、記事が飛び交いました。

しかし、これは盗聴ではなく「傍受」です。

我々の認識では「警察での取調べ中に、取調官がモニターにワイヤレスマイクを使用し、それを第三者が傍受した」だけの事で、盗聴でも何でもありません。

これを一般家庭に置き換えてみると、コードレス電話で会話をしているのを、誰かが受信して聞いていて、「あなた盗聴されていますよ」と、その家に行ったと同じ行為なのです。

法的には、電波は公共共有の物であり、私物ではないのです。
なので、飛んでいる電波を誰が聞くのも自由なのです。
聞かれたくないのなら、スクランブルを入れるなり、暗号化するなり、使う側が聞かれない対処をするべき問題なのです。

この愛知県警の盗聴事件なる物は、愛知県警が聞かれない為の措置を怠った事は問題かもしれませんが、事件でも何でもありません。

そうした原則を踏まえて考えればおかしな話です。
事件でも何絵もない事を愛知県警に「盗聴」と通告しても聞き入れられず、それをTV局に情報提供して、「盗聴事件」として大きく報道された訳です。

ここで、必要になってくるのが「盗聴の定義」です。
私は、盗聴の定義を「本人以外の者が、その人の同意を得ず勝手にマイク等の器具を用い、又は仕掛け、その人の会話を聞く、又は録音する行為」と定義しています。

ついでに、皆さんは「盗聴器」と言う言葉をよく使いますが、実際には「盗聴器」と言う物はありません」。

皆さんが「盗聴器」と呼んでいる物は、実際には「ワイヤレスマイク」なのです。
盗聴器と言う呼び名を厳密に言えば、「盗聴に利用できる機械」と言う事ですね。

 

2.盗聴器って?
前章で盗聴器と言う物は無いと言いましたが、この章では、便宜上「盗聴器」と言う言葉を使用していきます。
よく、盗聴の被害者などから「盗聴器や盗撮器が、何故堂々と売られているの?」と言う質問をよく受けます。

この問題は、業者やある程度この問題に詳しい人もちょっと誤解していると思います。

盗聴器という物は無く、「盗聴に利用できる物」と言う説明を前章でしましたが、実際ここが意見の分かれるところですね。

何故「盗聴に利用できる物」と言う定義が必要なのか?と言う問題を説明しておかなければなりませんね?

一般に盗聴器と呼ばれる物だけが盗聴器なのか? 盗聴に利用できる物全てが盗聴器なのか?と言えば答えは当然NO!

盗聴は何も盗聴器ばかりが盗聴ではありません、例えば「コップ」です。

壁にコップの上の部分を当て、底の部分に耳を当てれば、壁が薄い木造住宅や軽量鉄骨のコーポなどでは簡単に隣の部屋の声を聞くことが出来ます。

しかし盗聴に利用できるからと言って、コップは盗聴器ではありませんよね?

その他にも盗聴器の代わりに使用される物として「コップ」「糸電話」「空き缶」「携帯電話」「PHS」「ワイヤレスマイク」「縦樋」「パイプ」「テープレコーダー」「ボイスレコーダー」「トランシーバー」「コンクリートマイク」「集音マイク」「望遠マイク」「スピーカー」「ビデオカメラ」「ペットボトルまで音に関する物ならば結構何でも使えます。

盗聴に使用出来る物全てを盗聴器と仮定した場合、これら全てが当てはまります。
これを販売禁止にする事は出来ませんよね。

どんな機械でも同じなのですが「盗聴器とは機械ではなく、それを使う人」なのです。

これは、盗撮にも同じことが言えます。
盗撮に使用するCCDカメラは、元々防犯用やカメラの小型化の為に開発され物で、それを用途外使用しているに過ぎません。

結局、次々と便利な物が開発・販売されているのですが、どんな物にも「裏・表」があり、便利になればなるほど、それを悪用されれば危険度は増すのです。

しかし社会はより便利な物を求め開発・販売されて行きます。
どんな物でも使う人次第と言う事ですね。

 

3. 実際の盗聴事情
さてここで、実際の盗聴事情はどうなっているのか?と言う問題に入っていきます。

私の行った、盗聴盗撮の実態調査を元に記述していきます。

実際の盗聴や、盗撮はどうなっているのか?
これは色々な意味で、非常に危険な状態にあると言って過言ではありません。

それは、「盗聴行為」自体の問題ではなく、もっと大きく複雑で困難な問題です。

まず、盗聴行為自体からご説明していきます。

盗聴行為は街中には結構存在しています。
しかし、その盗聴されている人に限って「まさか自分が」と思っているみたいですね。

暇な時に街中を車で走ってスキャンし、何処にどう言った「盗聴と思われる」電波が出ているかを調べ、名古屋盗聴マップを作った事がありますが、結構一杯出ていました。

しかしそのマップ上の所から依頼が来る事は全くありません。
逆に、依頼して来る人の所に付いている確立は、極端に低いと言う現実があります。
これはどんな発見業者でも同じです。

さて、これはどうしてか?・・・・答えは簡単「盗聴する人にとって、盗聴行為がバレる事は自分の不利益になる為、一切しない」これは当然と言えば当然ですね。

実際の盗聴とは「情報を得る手段」であって、バレてしまえば情報は取れなくなってしまいます。
それでは元も子もありませんよね。

ここで、盗聴器が付けられていない人は何故付けられていると思い、依頼して来るのでしょうか?そしてこれこそが「盗聴問題」の一番の問題なのです。
この事は、本来ならば「愛知県警が盗聴された」と言う問題よりも遥かに深刻で、大きな社会問題化になっても良いくらいの問題なのに、ほとんどの人が気付いていません。

この問題の詳しい解説は「集団ストーカー(ガスライティング)等の監視妄想研究レポート」で解説しています。

この問題は、年々急増してきています。
盗聴器の発見は、数年前は盗聴器を調査・発見・撤去するのが仕事でしたが、近年では発見そのものよりも、心の安定を取り戻すのが、仕事になりつつあります。
つまり、実際の盗聴の問題と、盗聴されていると思える心の問題とは区別して対応する必要があるのです。

ここでは、実際の盗聴の事を書いていますので、精神的な盗聴の問題は「集団ストーカー(ガスライティング)等の監視妄想研究レポート」若しくは「盗聴被害者の心理的被害について」を参照してください。

とは言う物の、盗聴と言う問題は心理抜きには語れない部分が多く、先に基本的な事を書いておく必要があると思います。

さて、最も基本的な事ですが「盗聴されているかもしれない」と思っている人で、本物の盗聴器を持っている人はいるでしょうか?
持っていなくても、使った事が有る人は?

「盗聴されているかもしれない」と思っているほとんどの人が「実際の盗聴器」を知らないのです。
その時点からすでに「空想」であり、心理の世界なのです。

「聞かれているとしか思えない」と言う想いが根底にあり、そこから「盗聴」と言う発想に至っている事が大半を占めています。

ではその盗聴のイメージは何処から来るのでしょうか?

それは盗聴を取り扱った報道番組であったり、映画であったりする訳です。
その盗聴を取り扱った報道番組も、出演している業者が素人だったり、デマを言っていたりします。

まあ、不安を煽らなければ仕事に結びつきませんから、煽るような事を平気で言います。
これも分かっていて煽るのならまだしも、業者自信がデマを鵜呑みにして本気で言っていたりもします。
それが盗聴に関する定説になっていたりもする訳です。

その代表的な物が「電話に雑音が入ると盗聴の疑いがある」なのです。

これに関しては、「やってみなくちゃ分からない(盗聴・盗撮編)」や、私の技術系のブログ「盗聴お悩み相談所」で雑音が出るとされる原理と、雑音が出ない原理を書いています。
※「やってみなくちゃ分からない(盗聴・盗撮編)」では実際の実験映像も公開しています。

これ一つ知っているだけで、不安が一つ減りますし、業者を選ぶ際の目安にもなります。

もし調査を依頼しようと考えているのなら、業者に「電話に雑音が出るのですが、盗聴でしょうか」と聞けば良いのです。

そこで不安を煽るような事を言ったり、雑音が出る原理を話す業者であれば信ずるに値しませんし、植え付けられた不安を解消できなくなる事も多々ありますので、業者選びは慎重にした方がよろしいと思います。
但し、雑音が出ない原理は電波式の盗聴器に限っての事で、電池と言う電源を持つボイスレコーダーには当てはまりません。
映画も現実にはそぐわないシーンも多く、以前見た映画には受信場所を特定するシーンが有りましたが、現実には不可能なのです。

発信された電波が何処で受信されているか?を特定すると言う事は、誰が何処で太陽を見たのかを特定しようとするのと同じ事なのです。

映画は空想の世界ですよね。

そうした空想の世界のイメージで考えると言う事は、その時点で現実の盗聴ではなく「空想の盗聴」、つまり心理の世界なのです。

実際の盗聴器には、性能限界や技術限界がありますが、空想の盗聴器には性能限界も技術限界もありません。
つまり、空想上の盗聴器は幽霊や妖怪と同じ類の物なのです。

大切な事は、不安を取り去る事です。

こうした事を踏まえた上で、実際の盗聴器の話に移りましょう。

 

4. 盗聴器の種類

盗聴器 内容
無線式(電波式)盗聴器 基本的に盗聴器と言えばこの無線式盗聴器の事を言う。
無線式盗聴器には、AC電源式と電池式、室内盗聴と電話盗聴、ブラックボックスタイプと偽装タイプがある。
有線式盗聴器 有線式盗聴器は配線を辿れば相手にたどり着いてしまうため、ほとんど使われていない。
電話回線を親子電話のように配線するタイプもあるが、一旦電話を切ってもう一度受話器を上げれば通話中になっているのですぐに分かる。
ボイスレコーダー 小型のボイスレコーダーを録音状態にして設置する。
この方法の場合、回収しなければ聴くことが出来ない為、小型カメラ等を使用して監視していれば回収時に犯人が判明する。
コンクリートマイク コンクリートマイクは壁の振動を読み取る装置で、隣の部屋の会話を聞く事も可能ではある。
しかし、実際には隣の部屋の会話を聞く為には、他の振動が全く無い状態でなければ無理。
時折、コンクリートマイクで足音を聞いて自分の居場所を知られていると言う人もいるが、その人に実際にコンクリートマイクで足音を聞かせても、何処に誰がいるのか分かる人は誰もいない。
望遠マイク/集音マイク これもコンクリートマイク同様、他の音も全て増幅してしまう為、盗聴には向かない。
デジタル盗聴 デジタル盗聴に関しては専用コンテンツを参照
リモート(リモコン)式盗聴器 盗聴器の電源をリモコンでON/OFF出来るタイプの盗聴器。
聞きたい時にだけスイッチを入れる為、発見出来ない盗聴器とされている。
しかし、現実的には発見出来ない盗聴器と言うより使えない盗聴器。
レーザー盗聴器 この辺りから、有名無実の盗聴になって行く。
レーザー盗聴器自体は、確かに存在するが、その価格は800万円とかなり高額で、しかも窓に反射させて反射したレーザーを受信できなければ聞えない。
自分の所へ戻ってくる為には、対象の部屋の窓と水平直角でなければ自分の所へは戻ってこない。
どうしても心配ならば、反射させなければ良い。
つまり、窓の外側に「葦簀(よしず)」をかけるだけで防げる。
電磁波盗聴(テンペスト) 別名電磁波盗聴とも言う。
パソコンから出る電磁波を受信して、モニターに出ている画面を表示させる技術なのだが、現実的にはかなり「?」が多い。
電磁波を受信するには、そのパソコンの電磁波の周波数を事前に調べておく必要が有る。
パソコンの周波数を調べる為には侵入するしかないが、侵入したならスパイウエアを入れた方が早い。
テンペストは2000年にNSAが情報公開した技術である。
その為、当時は最新技術と思われていたのだが、実際にはインターネットもウイルスやスパイウエアも無かった1970年代の技術である。
エシュロン アメリカ主導の世界的な電話、ファックス、電子メールなどの傍受網。
日本では三沢飛行場近くの姉沼通信所に傍受施設が存在すると言われているが実態は不明。
しかし、エシュロンはテロや国際犯罪対策の物であって、24時間一般人の全ての会話を盗聴するものでは無い。
携帯電話の盗聴 携帯電話の盗聴は100%無理。
携帯電話は周波数(チャンネル)が決まっておらず、何時何処で誰がどの周波数で電話をするかは誰にも分からない。
更に、通話中にも周波数(チャンネル)は頻繁に変わっており、しかもデジタルで音声変換は出来ない。
時折、警察無線と混同したり、アナログ時代の携帯と混同している人もいるが、全くの別物である。
GPS GPSで居場所を知られると言う人が時々いるが、これも基本的に無理。
まず単なるGPSは屋根があればGPS信号を受信できないし、通信機能も無い。
携帯電話のGPSの場合、屋内にいる時には中継アンテナの場所が表示され、その人の居場所は表示されない。
カーナビには通信機能は付いていないので、居場所を送信する事は出来ない。
携帯のGPS機能を使い、移動中の位置情報を取得しても、航跡が表示されえる訳ではなく、どの方向に向っているのかも分からないし、位置情報を取得するには少し時間がかかり、その時にも移動しているので位置情報を取得した時にはすでにその場所にはいない

 

5. 市販の発見器は?
市販の盗聴発見器を使って、本気で調べたいのならレシーバーかバグチェイサーがお奨め。

1万円以下の盗聴発見器で盗聴器を見つけるのは、素人さんではまず無理。
逆に、家中に盗聴器が仕掛けられていると誤認して不安が増大してしまう事もしばしばあります。

盗聴発見器は、盗聴器の電波だけを調べるものではありません。

受信範囲の周波数であれば、なんでも反応してしまいます。
コードレス電話、無線LAN、インバーター照明器具、携帯電話には当然反応し、外から入ってくる携帯電話やPHS、業務用無線などにも反応し、区別が付きません。

そうした盗聴器以外の電波と区別できるのが、レシーバー系の機器です。

レシーバーは価格も比較的安く盗聴器の発見には一番お奨めなのですが、スイッチやキーが多く機械操作が苦手な人には使いこなす事が難しいと言う難点があります。

バグチェイサーは、価格は高いのですがスイッチは3つだけなので、操作が簡単で素人さんでも容易に盗聴器を見つける事が出来ます。

但し、器械としては問題は無いのですが、使う人に知識が無ければ、盗聴器が見つからなかった場合「自分の調べ方が悪いかも知れない」「この器械では見つけられない盗聴器なのかもしれない」、そんな不安がよぎり「盗聴器は無い」と言う答えが出せない人も結構多いのです。

そうした場合、盗聴発見器も買い、発見業者に調査も依頼する事になりますので、あまり経済的とは言えませんね。

市販の盗聴発見器を使い、自分で盗聴器を見つけようとする場合は、そこの所を熟慮された方が良いと思います。

 

6. 盗聴の防止策

盗聴器 防止方法
無線式室内盗聴器 自分で自分の部屋の映像を録画する。
知らない人からのプレゼントは受取らないプレゼント
電話盗聴 ISDN回線、光電話、IP電話にすれば盗聴は出来ません。
また携帯電話は盗聴できません。
コードレスを使う場合はデジタルコードレス電話にすれば傍受もされません。
コンクリートマイク 熱帯魚用のエアーポンプのゴムの足を壁に密着させて動かせる。
壁に振動を与えれば聞かれる事は無い。
レーザー盗聴器 窓の外に「葦簀(よしず)」をかけるだけで盗聴されない。
又は窓の反射角を少し変えればよい。
ボイスレコーダー 自分で自分の部屋の映像を録画する。
盗撮 自分で自分の部屋の映像を録画する。
デジタル盗聴 デジタル盗聴とは携帯電話の事、つまり携帯電話が使えなくなればデジタル盗聴も出来ないので、携帯電話妨害器を使えば良い。
テンペスト 基本的にテンペストは有名無実で対策は必要ないが、どうしても心配ならば、部屋を電磁波シールドすればよいが、コストが高い。
手っ取り早いのは、カーテンの裏側にアルミ箔を張ったカーテンをかける。

 

7. コードレス電話の危険性

今ではほとんどの家庭で使われているコードレスホン、でもこれは非常に危険なのです。

気軽に使っているコードレスホンですが、実は誰でも聞けちゃう「誰でもホン」なのです。

中にはコードレスホンマニアなんて言う人までいます。
コードレスホンは、その電波の性質上約100M前後まで電波が飛びます。

つまり自分の家から半径100Mまでならだれでも聞けてしまう訳で、指向性アンテナなどと組み合わせれば家まで特定することも可能です。

しかしたとえ聞かれたとしても、これは盗聴ではなく傍受なのです。
法的にはその会話の内容を他人に話したり、弱みを握って「強請」でもしなければ罰せられることはありません。

裏返して言えば誰でも聞いて良い電話なのです。
くれぐれもコードレス電話を使うときは注意しましょう。

どうしてもコードレス電話が使いたいときは。
どうしてもコードレス電話が使いたい人は、以下のことを試してみてください。

1、デジタルコードレス電話に変える。(回線自体もISDNに変更)
これは、デジタルコードレス電話は、デジタル通信の為基本的には盗聴できない。

2、買い換えたくない場合は。
コードレス電話の親機に付いているアンテナを伸ばさずに寝かしておく。
こうする事により電波の飛距離が短くなる野と同時に受信し難くなり、比較的聞かれにくくなります。

 

8. プロ・特殊?っていったい?(思い込み被害)

よく、精神的圧迫を受け、視野狭窄に陥っている人が言う言葉に、「プロ中のプロ」とか「特殊な方法で」などと言う言葉が聞かれます。

しかし、この言葉を使う人の大半は「自分で構築した理屈を肯定させる為の便利な言葉」なのです。

プロにしたって、出来る事と出来ない事があります。
例えば、在宅中に玄関や窓を開けずに侵入し、本人に対しなんの痕跡も残さず嫌がらせ行為をする。

これはちょっと「忍者」でも難しいですね。
しかし、こう言った事を、「プロ中のプロ」と言う言葉で「実行可能」と思い込んだり、何処かで「レーザー盗聴器」の存在を知り、「電波が無いならきっとこれだ!」と思い込み、レーザー盗聴と言う特殊な方法で盗聴をされていると考える。

しかし、レーザー盗聴器は価格が800万円、しかも買ったからと言って簡単に使える品物ではなく、まず素人には無理。

プロでも、こんな物使う人の気が知れない様な品物です。

レーザー盗聴器は発光機と受光機からなり、発光機から発せられたレーザー光線を窓ガラスに当て、その反射してきたレーザーに含まれる振動情報を音声に変換する方式で、長距離読み取りのCDのような物です。

これは、まずその反射してくるレーザーがどこに帰ってくるかを探し、そこに受光機をセットするのですが、反射角など1度角度が狂えば全く受信場所が変わり、上から照射すれば下に反射し、右から照射すれば左に反射します。

全く水平の所でない限りそのレーザーは自分の所はに帰ってきません。

日本の住宅は必ずしも道路に対して水平には立っていませんし(敷地の形状の問題など)、建て付けなども垂直には付いていますが、他の家の窓に対して水平についている訳ではありません。

同じ階でもマンション毎に高さが違いますし、障害物があれば使えません。

そんな高額で使えないものに、恐怖を覚えても無意味ですね。
こんなものを使って盗聴している人がいたとしたら、使っている人の方がよほど損害が出ていますね。

専門家に依頼したからと言って、こんな高額の機材を使用して盗聴すれば、当然相当高額の調査料がかかります、どちらにしても犯人の方が痛手をこうむる物は、除外しても問題ないと思います。

「プロに依頼されて盗聴器を仕掛けられた」と言う人もかなりいますが、仕掛けの相場をご存知ですか?
取り付け依頼には最低50万円~100万円と言われています。
これも非現実的ですよね。

厄介なのは、自称「専門家」が話す「特殊」な方法です。

確かに技術的には可能でも、実際にはさほど問題ではない事も、思い込み被害の人には「出来る」と言う事実だけで十分で、それがどんな専門的知識が必要かなどは関係ありません。

そこで「これだ!」と思い込んでしまうのです。
さて、盗聴器が見付からなかった時「特殊な電波が使われているから見付からない」と言う人がいます。

特殊な電波とはどんな電波でしょうか?
電波は、周波数、変調、出力から成り、それ以外の要素はありません。

その周波数も、周波数毎に性質や特徴があり、使われる周波数は、用途に合った周波数が使われます。
※電波周波数帯表参照

周波数が低ければ少ない情報量しか乗せられず、多くの情報量を乗せるには高い周波数を使わねばなりません。
しかし、周波数が高ければ直進性が強く回折が少なくなり、障害物に弱くなりますし、周波数が低ければ回折の性質が強く、障害物があっても回り込んで届きやすくなります。

盗聴器の場合、情報は音声だけですから、低めの周波数でも使えますが、低くしすぎると何を言っているのか聞き取れません。
ある程度の音質を確保しながら、確実に聞こうとすれば、自ずと周波数は決まってきます。

その周波数が、399Mhz近辺なのです。

では盗撮は?と言えば、映像信号は情報量が多いので高い周波数が必要になります。
その為、1200Mhzや2400Mhz近辺が使われるのです。

しかし、それだけ高い周波数を使っていれば、当然回折も少なく障害物で遮断されてしまいます。

それを身近な物で説明しましょう。

ラジオとTVを比べてみてください。
屋外アンテナを付けているラジオは有りませんが、屋外アンテナを付けていないテレビは映りませんよね。

FMラジオの周波数帯は76MHz~90MHz、AMラジオは 531kHz~1700kHz付近まで、それに対しTVは90MHz以上なのですが、その222MhzまでがVHF帯で、地デジ化された現在では使われていません。
その地デジの周波数帯は470~578MHzと、かなり高くなっています。
注)khzとMhzを混同しないように。

この「屋外アンテナ」の話しは、電波の誤解を理解する為に最適な話しなのです。

まあ、ほとんどの人が「電波は壁抜け」が出来ると思っていますが、実際には電波は壁抜けは出来ません。
壁抜けが出来るのなら、何故屋外アンテナが必要なのでしょう?

ラジオは周波数が低いので回折の性質により、窓から電波が回り込んで受信出来るのですが、テレビ等の映像電波は周波数が高く、ほとんど回折しないから「壁」と言う障害物の影響を受け難い屋外にアンテナを立てて受信しているのです。

では、同じ様に周波数の高い携帯が「室内で受信出来るのはおかしい」と言う疑問が生まれますよね。

携帯は、回折の性質を使っているのではなく「反射」の性質を使っているのです。

テレビ局からの送信アンテナは一つの街で1つの放送局で1本程度しか有りませんよね。
しかし、携帯電話のアンテナは至るところにあります。

アンテナが至る所にある事で、窓から電波が入り易いようになっており、窓から入った電波が壁等で反射して置くまで届くようになっているのです。

さて、周波数は、一秒間の波の数なので、特殊な数などありませんし、出力は電波の強さなので強弱に特殊などはありませんよね。

電波で「特殊」言えるとするなら、変調しかありません。
その変調も、周波数変調(FM)と振幅変調(AM)と位相変調(デジタル)の3種類しかありません。
周波数変調は長さに対する変調、振幅は変調は高さに対する変調、位相変調は分かりやすく言えば形の変調。
詳しくは私の技術系ブログ「電波と言う物を理解する(変調)」を参照

特殊と言えるとするならば、この位相変調しかありません。

しかし、理屈さえ分かっていれば全て理論的に解説できますし、特殊という言葉など必要ありませんよね。

特殊と言う言葉は、理解できない物を納得させる為の方便で「分からない」と言う事でもあるのです。

そして、どんな電波でも、電気と磁気の連続した振動なので、どんな電波であろうと電界を調べれば必ず見付かるのです。

逆に言えば、電界も無い所に電波は存在しないと言う事でもあるのです。
それは、特殊な電波だから見付からないのではなく、存在していないから反応しないのです。